回胴遊商広報誌第122号
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28小川 多鶴代表(左)と徳山 健一委員長(右)https://www.acrossjapan.org/アクロスジャパンホームページ▶回胴遊商の社会貢献活動めました。 不妊治療をあきらめて養子縁組で子どもを迎えたい夫婦、産むことはできても育てることが叶わない女性、生まれては来たけれども、大人の都合で自分の「家」を持つことができない子どもなどです。││そんな中、昨年、新法(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律)が施行されました。小川 日本にやっと養子縁組に関する法律ができ、私どものような団体も許可制へと移行しました。施行通知に「行政は民間団体と協働せよ」という文言が明記されたことで、行政とも連携しやすくなりました。モデル事業に採択された団体だけですが、昨年度からは国と自治体から助成金も出るようになり、養親希望者の負担も軽減されました。││回胴遊商による寄付はどのように役に立っているでしょうか?小川 米国では、とくにゲーミング業界やシリコンバレーなどのハイテク企業などは、こぞって非営利団体へ向けた支援を申し出て出てきます。でも、日本ではそうした社会貢献への想いが少ないのです。 そんななかで、唯一支援の手を差し伸べてくださったのが回胴遊商さんでした。この出会いは、私どもの団体にとって大きな支えになりました。回胴遊商さんの組合ホームページ経由で私どもを知り相談してくださるケースも年間数件いただくようになりました。パチンコホールで勤務なさる方が、奥さんが赤ちゃんを授かったのにどうしても養育が難しいといった相談もいただきます。││そういうお話を聞くと、支援が役に立っていると実感します。小川 日本財団と親しくしているなかで、施設擁護出身のボートレーサーと親交ができました。上位のクラスで活躍されている選手です。彼は、施設を出た後、香川県のパチンコ店で働かせてもらったそうです。私の講演で話をしてもらうことがあるのですが、彼は、「ぼくを拾ってくれたのはパチンコ屋さんです。住まわせてくれて、ごはんを食べさせてくれたから今のぼくがある」と必ずいうのです。パチンコ店はこれまで、社会的なセーフティーネットだったと思うのですが、いまそれが縮小してしまっている。世の中には困難を抱えている人がたくさんいます。そういう方に近い場所にあるパチンコ店さんこそ、社会に必要な場所だと思うのですが。││最後に、今後の展望についてお聞かせください。小川 私が帰国してからちょうど10年が経って、支援の制度も広がり社会からの認知度も高まりました。今後は、支援の質を求めていかなければなりません。 赤ちゃんが生まれてきて、親が育てられなくなった背景はみなさんそれぞれです。その背景をなるべく変えず、背景を理解できる方に子どもを託す。そういう専門性を持った活動を私たちがやっていかなければいけないと思っています。唯一手を差し伸べてくれた回胴遊商の支援が支えに

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